経済成長と市場秩序をめぐり討論――第1回研究会

 2013年6月2日、中国経済史研究会設立会議に引き続き、第1回研究会が開催され、木越義則氏の「中国的国民経済の形成過程と市場圏をめぐって」と題された報告と富澤芳亜氏による古田和子編『中国の市場秩序:17世紀から20世紀前半を中心に』に対する書評報告を受け、活発な議論が交わされた。
 その中では、スミス的成長とは異なるミント的成長を見いだし得る可能性、異なるタイプの経済成長が並存し得るような地域的多様性の理解、経済成長の特定
の段階ないし局面において市場秩序の在り方が影響を及ぼす可能性、などをめぐり、さまざまな意見が提示され、きわめて刺激的な議論の場になった。