第6回研究集会の予定 (第1報)

日時:2017年9月8日(金) 13:00-17:00(時間は仮)

会場:横浜国立大学・国際社会科学研究棟2階201室(予定)
  http://www.ynu.ac.jp/access/index.html

報告者(予定、敬称略):
  飯塚靖(下関市立大学)
  瀬戸林政孝(福岡大学)
  諸田博昭(総合地球環境学研究所)
  大石田真弥(東京大学大学院)

Tim Wright,Chinese Economy,1895-1949

 Tim Wright さんが OXFORD BIBLIOGRAPHIES: CHINESE STUDIESのため中国経済史文献案内をまとめられました。目配りのきいた、よくできたものであるように思います。とくに英語文献の案内は、我々にとってありがたいものです。
 なお、OXFORD BIBLIOGRAPHIES: CHINESE STUDIES については、下記を御参照下さい。

久保 亨

OXFORD BIBLIOGRAPHIES: CHINESE STUDIES
Oxford Bibliographies: Chinese Studies is a tool designed to help busy researchers find reliable sources of information in half the time by directing them to exactly the right chapter, book, website, archive, or data set they need for their research. It is a springboard for new research that allows for fluid movement between texts and databases within a given institution’s collection and beyond. It is a starting point for organizing a research plan, or for preparing a writing assignment or syllabus. The style and approach is accessible to students, but the depth of coverage makes it of great use to faculty as well.

各種研究会開催のお知らせ

―――――――――――――――――――――――――――――――――

2013年8月23-24日、武漢:華中師範大学
「全球化進程中的商業与商人組織、19-20世紀」国際学術研討会
(=「2013年経済史高端論壇」)

主要議題

(1)全球化理論与観念研究
(2)19世紀以来的商業演進
(3)19世紀以降区域貿易体系的変遷
(4)近両個世紀以来商人組織的演変及影響
(5)商業化与工業化
(6)商業文化与社会転型

会議聯系:華中師範大学中国近代史研究所(郵編:430079)

―――――――――――――――――――――――――――――――――

2013年8月24日、京都、京都大学経済学部
「東アジアの資本主義史に関するシンポジウム
  ――認識の長いスパンと広い視野――」

開催趣旨:
 現在世界経済のグローバル化が急速に進んでいる。これは、これまでの経済史研究では予想していなかった事態である。かつて、西洋経済史や大塚史学が学界をリードしていた時代には、資本主義とは厳格な条件が揃った国において初めて成立し得るのだと考えられていた。NICs・NIEsが登場して、非欧米地域の工業化に関心が集まるようになってからも、それらはもっぱら多国籍企業の国際戦略や開発独裁政権の政策として論じられていた。世界システム論のウォーラーステインでさえ、世界的に見て資本・賃労働関係に直接組み込まれている比率は高くないことを強調していた。しかし、中国が世界経済に本格的に組み込まれた世紀転換期ごろから、世界は明らかに異なった状態になりつつある。BRICや新興経済発展地域の台頭が広く認められ、かつては最貧困地域と呼ばれたアフリカ・サウスサハラでさえ急速な経済発展が起こっている。資本による世界経済の直接的な包摂、まさにウォーラーステインが否定していた、全世界の労働力の過半が資本・賃労働関係の下におかれる事態が展開しつつある。

 これらの新しい事態は、経済史研究においても、その認識の方法を再検討して、そ の歴史像を再構成することを求めている。その課題を正面から受けとめるために、この夏に以下のシンポジウムを開催する。その視点として、次の諸点を提起したい。

 第1は、一国単位での歴史認識の克服である。この提起自体はなにも目新しくはな いが、各国において資料に基づく実証研究が深化するにつれて、今日では分析の枠組みはむしろ国民経済に集中する傾向がある。これを批判して登場したアジア交易圏論は、国の枠を越えた商人層の活動やネットワークの意義を強調してきたが、分析の方法については発言が乏しい。

 第2に、一国単位に代わる認識の枠組みとして、東アジア地域の構造的な把握を提 案したい。これは、19世紀に欧米列強によって世界経済に結びつけられて以降、東アジア地域では多様な形で資本主義が発生し伝播し、相互に促進したり対抗したりして、日中戦争においては激しく破壊したこともあった。そのような構造変化を経つつ、長期的には東アジアにおいて資本主義が拡大してきたことを重視したい。

 第3に、このような東アジア地域の構造変化を、世界における米国経済の台頭と関 連させて分析したい。19世紀イギリスの影響が非常に強かった状態から、次第に太平洋を挟んだ米国と新しい分業関係が生まれ深化拡大していく中で、東アジア地域経済が大きく変わってくるという点に焦点を当てたい。

 第4に、この地域の変化について、資本主義という概念を中心に据えたいと。これ は、今目前に展開している事態を、市場経済の単なる量的な広がりと捉えるだけではなくて、その拡大を推し進めつつある資本の蓄積運動に焦点をあてることによってこそ、その動態をより的確に認識できると考えるからである。

 第5に、対象とする時期は、各報告者に焦点の当て方は任せて統一しないが、最長 のものは19世紀東アジアが世界経済に本格的に結合されてから1990年頃までとする。つまり、現状分析を除いた、近現代史すべてということである。このように長い時間的スパンを設定するなかで、とりわけ1945年の前と後を通してどのように把握すべきなのか、という課題に取り組む。周知のように、この問題は各国において連続と断絶の問題として久しく論じられてきた。それを東アジア地域という次元に広げた場合には、どのような新しい認識が生まれてくるかについて、検討したい。これらの視点については、様々な見解があると思われるが、研究の細分化が進んで いる経済史の領域において、学会では取り組みにくい大胆な整理総括の試みだと考えていただきたい。4本の報告について1日掛けて議論するというように、討論に比較的余裕のある時間配分を考えている。最近の学会ではまれになった大きな歴史認識について、積極的な問題提起と議論をおこないたい。ご都合を繰り合わせて、ぜひご参加ください。

  呼びかけ人
   
堀和生(科研費プロジェクト「東アジア高度成長の歴史的起源」代表)
   
原 朗(現代日本経済史研究会 代表)
             

■日時:8月24日(土) 9:30~17:00
■会場:京都大学経済学部みずほホール
    
京都大学経済学部総合研究棟地下1階
■司会 松本俊郎(岡山大学教授)
■発表者とテーマ
堀 和生(京都大学教授)  「東アジア資本主義は設定できるか」
林 采 成(ソウル大学教授) 「戦後東アジアの経済発展とアメリカ」
金子文夫(横浜市立大学教授)「東アジアにおける商品と資本の移動」
原 朗(東京大学名誉教授) 「東アジア資本主義と欧米帝国主義」

 ※参加は自由です。ただし、資料準備の都合がありますので、
 
事前に下記の連絡先に参加希望をお伝えください。
連絡先 hori@econ.kyoto-u.ac.jp 堀和生
電話 075-753-3438
fax  075-753-3492 共用 あて名が必要

経済成長と市場秩序をめぐり討論――第1回研究会

 2013年6月2日、中国経済史研究会設立会議に引き続き、第1回研究会が開催され、木越義則氏の「中国的国民経済の形成過程と市場圏をめぐって」と題された報告と富澤芳亜氏による古田和子編『中国の市場秩序:17世紀から20世紀前半を中心に』に対する書評報告を受け、活発な議論が交わされた。
 その中では、スミス的成長とは異なるミント的成長を見いだし得る可能性、異なるタイプの経済成長が並存し得るような地域的多様性の理解、経済成長の特定
の段階ないし局面において市場秩序の在り方が影響を及ぼす可能性、などをめぐり、さまざまな意見が提示され、きわめて刺激的な議論の場になった。

中国経済史研究会、設立

 2013年6月2日、東洋文庫7階会議室で、中国経済史研究会設立会議が開催された。会議には北海道から九州まで全国各地の研究者17人が参加し、欠席した7人を含め、会員24人で中国経済史研究会を設立することを確認した。また会の規約と運営方針について話し合い、規約案を一部修正し採択した。